旧・吉原ドンファン閉店のため、吉原・ダーリングハーバーに移籍☆キララ☆のブログ

旧 吉原・ドンファンにて星川キララ、リニューアル後はキララという源氏名で在籍させて頂いていたのですが、ドンファン閉店のため、急遽、同じ吉原の中級店・ダーリングハーバーさんに同じキララという源氏名で移籍させて頂きました。あまりにも急な閉店だったため、ほとんどのご贔屓様にお伝えすることができず、このブログを開設致しました。 ご予約、お問い合わせは03 3871 3399 キララとお申し付け下さい。

daam,trapped(囚われの君)

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尊属殺人っていう昔々の法律があってさ

確かこの国にも数十年前まであったんだよ

血縁者を殺すとね 他人を殺すよりも罪が重いの

でも世界最古の尊属殺人旧約聖書の中でのカインとアベルの兄弟同士の殺人だよね

2000年以上経ってからやっと尊属殺人と殺人は同じ扱いになった国がほとんどなんだけどさ

信じられる?長い歴史の中でどれだけの血縁殺しが続いていたんだろうね?カインとアベル以前にもさ

まぁDNA鑑定制度があまり信用無い数十年前までは嫡出子と非嫡出子の相続権は大分違っていて 最高裁の大法廷が開かれて違憲判決が出たんだけどさ それって暗に 一夫多妻制認めてるみたいで 女は所詮穴と袋で 生まれた子供に相続権は平等にあるけれど 非嫡出子を産んだ女には正妻と同じ権利はないってことなんだよね まぁあんまり会ったことない私の父親の国の司法システムなんだけどさ

プロイセンを参考にしている割にはイングランド寄りだとも思うんだ ねーねー リースはどう思う?」

 

 

 

リースはアイルランド訛りのイングランド人で 赤毛の女は彼の母親を思い出すから嫌いだと言い マッチで吸うタバコが1番好きで だから 湿度の高い彼女の住む香港と合法的に仕事をする為に毎週末彼女が居る澳門が大嫌いだと言う 

マッチが湿気るから と

それなら彼女はシンガポールネバダのエージェントとも契約しているからそっちで長期休暇中だけでもお客さん取ろうかな? と笑うと シンガポールも湿度は高いし ネバダの砂漠とカジノは魅力的だし 彼の仕事仲間もいるが 時間の無駄だと怒り出す

 

 

 

「お前さー それさぁ この俺がわざわざ愛しのステディのためにエグゼクティブスウィート予約してしてジェットラグに悩ませさせられながら また俺が変な気起こさねーよう正気に戻るためにベッドでタバコ吸ってる男にする話じゃねーだろ 賢者タイムだ!賢者タイム!分かれややクソガキ!せっかくネーデルランドからデカい仕事の後に寝ないで駆け付けて三日も貸切予約してお前を甘やかしてやったこの俺だってさすがに萎えるわ〜お前の取り柄って顔と頭しかない訳?」

 

 

 

だから彼女は彼からの予約がある晩は必ず彼の吸う煙草と 新しいマッチを香港で買う

そしてマッチが切れた万が一のために味がつかないよう 外でも決して火が消えないようにと彼女の母親が使っていた黒いジバンシィのガス式ターボライターをいつものリーバイスのホットパンツのポケットに入れておく

ライン8のペンシルスキニー23インチが彼女のお気に入り 必ず黒いサイハイストッキングからガータベルトを覗かせて大好物のジミーチュウやマロノブラニクのメリージェーンピンヒールのエナメルパンプス

彼は彼女の常連客の1人で 彼女は毎週末常連客で埋まっていて その中でも比較的 価値観や年齢が近い常連客の1人 と言っても一回りくらいはゆうに違うのだけれど

 

 

 

「えー わざわざ時間作って私にこんな通ってくれてんのにもう私のこと嫌いになっちゃった訳?酷ーい!結構気を遣ってるから喋ってるのになぁ うーん じゃあ普通は何の話をするの?普通の女の人と男の人は何の話をするの?私 一般の人とか誰とも付き合った事ないし お客さん達としかした事ないし 皆んな私のイカれ具合知ってて呆れ返ってるよ?そもそも恋愛なんてさーハリウッドスターみたいな非の打ち所がない美男美女がせいぜい映画の2時間とか エアロスミス並のスーパーロックバンドの歌の中で3分から5分の間 するもんなんじゃないの?ベッドの上でタバコ吸ってる男の人のもう一回咥えればいい?それで怒らないでくれるなら 呆れないでくれるなら何回だって咥えるよ でもさっき出しちゃったばっかだから くすぐったいでしょ?円周率でも隣で唱えてればいい?子供らしく教科書読んでラインマーカーでも引いてればいい?」

 

 

彼は毎回三揃で裾はダブル仕上げのプレスの効いた上等な仕立てスーツで世界を股に掛けて飛び回るビジネスマンを装い リモワの機内持ち込みスーツケースとTUMIのビジネス鞄でやって来る

しかし80番手ツイルのシャツの下のタトゥーや傷だらけのその体から 彼女は何も詮索しないし 彼もその居心地の良さから出会ってからずっと 2週間ごとに澳門まで彼女に会いに来る

彼女が場末のカジノの安テーブルでブラックジャックを無言でサインのみでツーハンド ブラックチッププレイしたり バカラでは絶対にハウスエッジ関係なく所場代払ってんだからと頑なにプレイヤーにしか賭けなかったり カード絞りが大嫌いでディーラーにオープンさせることも もちろん彼は知っているし 男より潔くて面白い奴としか思っていない

女々しいという言葉は男にしか使わない言葉だと彼は知っているからだ

 

 

 

「知るかよ!俺は愛だの恋だの知らねーんだよ!Google先生かSiriにでも聞けよクソガキ!あー そういやさ、、、飛び級したんだよなぁ?お前、、、一応 トランジットの免税店土産だけど、、、おめでとう、、、頑張ったんだろ?こんなブルーボックス貰い慣れてるだろうし お前 装飾品嫌いなの知ってっけど、、、んーメシは?なんかルームサービス取るか?夜中だから酒とつまみしかねぇと思うけど シャンパンくらいなら準備してやれるよ」

 

 

 

彼は無造作に床に放り投げたジャケットに手を伸ばし 慌てて起き上がってもう一度彼のタバコに火をつけようとした裸の彼女の肩にふわっとかけた

彼女から火をもらい 彼はジャケットの左ポケットからティファニーの重たいブルーボックスを取り出し 照れ臭そうに目も合わせず彼女に渡してまた寝転がった

ああ 彼は存外こういうところがとても子供っぽくて 好きなんだよねって彼女は心の中でいつも笑い リボンを解いてブルーボックスの中に入ったベルベットの黒い箱を開ける

へー 1キャラオーバーのダイヤモンドなんかデューティフリーの空港のティファニーショップになんか置いてないのにね 彼は嘘をつくのが下手で下手で仕方ない

 

 

 

「あれぇ?このデッカいピンクダイヤのピアスだってリースが買ってくれたからずっと付けてるんだよ!忘れちゃった?それに私未成年だしお酒はアルコールアレルギーあるの知ってるでしょ?それ以前に仕事する時は私基本何も食べないの知ってるじゃん? ディープスロートする時に万が一失敗して胃液以外が上がって来るの嫌いだし 何なら呼吸の準備出来てないのに頭押さえ付けられたり扱われ方次第では十二指腸超えて小腸からも腸液だの胆汁だの上がって来るから 絶対茶色や緑の血液や胆汁酸混じった胃液は吐きたくないんだよー! 鮮血だったら粘膜の傷はすぐに治るけどそれでも咽頭超えて食道切るのはなんか嫌!だから1日に1回エッグタルト食べるだけかな〜あとは低血糖で倒れないように エナジードリンクのシュガーフリーじゃ無いやつか練乳と角砂糖たっぷりの濃いめの奶茶飲むくらいかな 本当は甘いものは固形で摂取したいんだけどね

あ!大丈夫だよ 私 病気?体質?まぁ何でもいいけどなんかのせいで子供産めないらしいし でもちゃんとピル飲んでるし イングランド製の本物のピルだし あんま生理来ないけど口でする方がめちゃくちゃ上手いって褒められるし たまにしてる時切れて抉れてもて血が出ちゃうくらいであれはまぁ 痛み止めを下の粘膜から吸収させたり 麻酔使えばグロいけど何とかごまかせるし 成長したら体が大きくなってそのうち切れたり痛くなったりしなくなるってドクも言ってたし 検査もオールクリアだし セーフプレイ専門だし?」

 

 

 

そして彼女もまた 嘘をつくのがとても下手で 聴牌タバコのようにたまに仕事を忘れてクスッと笑ってしまう

悟られないよう彼も彼女も照れ隠しと嘘が下手なので 特別気が合ってしまったのかもしれない

悲しい悲しい夜の恋人 その先には男も女もそうではないものにも破滅か 夜を去る事しかないのに 香港や澳門の夜は永遠に明けないかのようにネオンやサーチライトで光照らされ 生殖行為の真似事が どうか出来るだけ長く長く続きますようにと 皆が願うし跪き赦しを請う 神などではない 時間の流れという絶対的な自然の摂理に対して

 

 

 

「はー 何ペラペラと人の気も知らねーで知った口叩きながら卑猥な言葉つらつら並べて嬉しそうな顔すんだよ!、、、調子狂うんだよ クソガキが、、、酒も飲めねー タバコも吸えねー 薬もやらねー 頭の中身だけは捻くれた学者が書いた論文みたいで 楽しそうにしてるのは菓子食ってる時か小難しい本読んでる時とか どういう育てられ方したらこんなイカれたガキに仕上がるのか、、、ろくな育てられ方してねぇ俺ですらわかんねぇんだよ クソガキが!ガキそもそも嫌いだし 人間そのものが嫌いなんだよ!」

 

 

そうねって肩をすくめながら彼女は彼のジャケットにくるまり膝を抱えてうずくまりながら いつも思うのは 私がもう少し早く産まれていたら もう少し早く産んで貰えていたならば 彼にもう少しだけ違う形で、、、と言ってもどうせ娼婦と客の関係で だけれども 何か少しは変わってたのかなって、、、柄にもなく悲しいことだけ

ねえ知ってる? 犠牲者って夜の恋人のもう一つの呼び名なの そうやって犠牲者の列に並び裁きを待ちたくないから明けない夜の世界に飛び込んだのにねと この澳門にはそう思う女達が集うのにね 街頭に群がる毒蛾のように

 

 

 

「じゃあ リースさっきから私のことステディって言ってる癖に 理論めちゃくちゃ破綻してんのわかってるよね!ほら だからさ 頭の中味空っぽな シリコンとプロテーゼ入れたそこら辺にいる韓国か大陸の女買えば?多分値段は、、、貸切したって私の5分の1から10分の1くらいだよ?みんな18超えてるから手加減する必要ないし

別に出すだけならそっちのほうが手っ取り早いと思うけど そこそこ英語話せる子もいるんじゃ無いかな?サウナとか行けばありとあらゆる人種が居るって聞いたよ 私みたいなクソガキじゃない 喋らない ムカつかない 血も流さない そんな、、、多分クソガキじゃない、、、普通の女、、、」

 

 

 

これは 行かないでという彼女なりの心の叫び 或いは早く消えてくれたら良心の呵責に苛まれずに済むからと彼を気遣った相反する彼女なりの本音

もう何度何回繰り返し繰り返し彼に言っただろうか?早く彼女から逃げてという 彼への 惨めな娼婦の思い

バカね まだまだ彼女の毒は熟成していないどころか一滴で彼の心を壊してしまうのに 言ってはいけない殺し文句

 

 

 

「本当可愛くねーな 黙って寝てろよ 疲れてんだろ?」

 

 

 

彼女の隠した毒牙を知りつつ彼は自らその身を彼女にいつも差し出す

自分に出来るのはこれくらいだし 彼女になら喰い殺されて本望だと腹を括っている彼なりの誠意なのに いつも彼と彼女はすれ違いながらも決して届かない手をお互い伸ばして伸ばして いつか絶対に掴めるのだと信じ合う

 

 

 

「疲れてるのはお互い様じゃん、、、あーあ!ステディという言葉にリースが言うこのクソガキがさぁ せっかく仲良くなろうと思って私頑張って話してるのに 酷いなぁ」

 

 

 

明けない夜の悲しい悲しい恋人達は そうやって幾千 幾億もの夜伽話をこの世界中で何千年もの昔から繰り返して来たのだろう

彼女の母親はジャックダニエルのシングルバレルとオキシコドンやヒドロコドンを飲んでいない時はとても聡明で美しい女性だったので 十字軍は世界最古の多国籍企業だとか 戦争から帰って来た男達が娼館に殺到し 売れっ子ほど何日も寝ずに彼らの相手をしたから目の下にクマができ それが転じて ほら 私も美人で売れっ子なのよと皆が目の周りを青い塗料で塗りたくり それが転じてアイシャドウになったと教えてくれるような人だった

 

 

 

「じゃあさ なんかもっと軽い話にしろよ 今日学校で何があったかとか 好きな男の愚痴とか」

 

 

 

「私 女子校だし飛び級してるから友達なんかいないもん 全員年上の敵!酷いな 酷すぎ!全部全部知ってるくせに!毎日毎日虐められながら何年か先の勉強してあと1回くらいは飛び級したいんだ

リース頭いいから私 リースのこと好きなんだけどなぁ 多分ちょっとは 1ミリくらい?

揶揄うのも面白いし 興味あるから仲良くなりたいのに すこしでも、、、クソガキの私じゃダメ?あと2年か3年で母さんの最初の頃の現役時代に追いつく顔と体になる予定なんだよ」

 

 

 

彼女が死んだ母親をこの先もずっとずっと恋しがり1人隠れて涙を流し続けることを彼は知っているが その悲しい記憶を消してやりたいが彼も彼女と同じくらい記憶力がいいのでその術は分からなくて分からなくていつも悔しいという感情を抱く

彼にも同じ感情があるが どうして母親を嫌いになれる子がこの世に居るのかという真理をとうの昔に思い知っているからだ

どんなに酷い母親であろうと 例え母親の顔や名前すら知らなくても 思い出せなくとも 子は泣き叫んで母親を慕う

 

 

 

「まぁ 俺も友達なんかいなかったけどな 学校なんて行った記憶もうねーよ 胸糞悪い 檻の中なら入ってた記憶あるし クローゼットの中も入ってたなぁ 母親とか名乗る女がクソでクソで仕方なくておまけに脳味噌お花畑で家で客取るからよぉ 気持ち悪いったらありゃしねえし そのうちそのババアが紹介してきたババアやジジイの相手してたから 俺 ガキもババアもジジイも嫌いなの!おかげで腹満たす手段と母親に粉と安酒買ってやれることも覚えたし そうやって今はそんなことせずともお前を何日も買ってやれるし 自分の手を汚すこともほぼなくなったけど、、、クソが生んだクソはクソに変わりねーけどな」

 

 

 

彼もまた彼女と同じで 彼女もまた彼と同じ 欲に塗れた世界の犠牲者だと自分は 自分だけは思いたくはない 自ら毎晩毎晩何度も何度も自分を殺す痛みでしか 自分が生きているのか死んでいるのかわからないし わかろうとしない 愚かで賢い 悲しい悲しい夜の恋人

この痛みに耐えてこそ 止まる事ない血を流し続け 嬲られているのではなく 自ら望んで何千回も何万回も自分を毎晩毎晩殺し続けなければ 絶対に自分が死んだように生きていると信じられない 哀れな子供 それが彼と彼女

 

 

 

 

「うーん 私もクソガキだから私達お似合いだね!何となく気付いてたけどさぁ、、、リースもなかなかに子供の頃から私と同じ世界にどっぷりじゃん! まぁ リース身長2m超えの誰から見てもいい男だもんねぇ おじさんにもおばさんにも大人気だったでしょ? 私と兄貴みたいにさぁ タイプは違ってもさ でも誰かとつるむの好きそうじゃ無いしね リースは兄弟姉妹居ないもんね 商売女が嫌いなのに商売女としか寝ないタイプだし 別に私リース嫌いじゃ無いよ むしろそういう人の方が好き だってリース頭いいじゃん 私の戯言に付き合ってくれてんだし ロリコンって訳でもなさそうだし 痛いことも汚いこともしない 私にリースと同じものついてたら あともうちょっと早く産まれてたら 友達くらいにはなれたかなぁ?まぁ 男友達は趣味じゃない?」

 

 

 

「知ってるよ」

 

 

 

「面倒くせーの嫌いなの 俺は後腐れなく 安全に 長く割り切った関係でいられる女が好きなんだよ ほら 髪結い上げて後ろ向け!」

 

 

 

「はいはい、、、って!いっ、、、いったーい!なんて言うと思った?

あーあー 注射針なんかで開けるから血が出ちゃったじゃん、、、耳重いよ 絶対この前のピンクダイヤよりデカいでしょ」

 

 

 

「両耳から臍まで風穴だらけの奴に言われたかねぇなぁ しかしお前 キレーな肌と髪してるのに染めもしねぇし パーマどころかドライヤーすら当てないし 何で消えないお絵描きだけはしない訳?イカれクソガキが最初にやんのはタトゥーだろ?」

 

 

 

「消えるものと消えないものは嫌いなんだよ、、、幾つになったかなぁ、、、リースの開けた私の耳の風穴?ってかホワイトタトゥーとか和彫のお化粧彫でリースのためにこことかこことかお絵描きしたら喜んでくれる?」

 

 

 

「覚えちゃいるけど覚えちゃいねぇよ あと俺 そんな消えないお絵描き初めて知ったわ ホワイトタトゥーとかお化粧彫?とか、、、そのうちお前の言う ろくに会ったこともない親父さんの国で普通の世界に戻るならやめとけよ せめて服で隠せないとこはさ、、、」

 

 

 

「ふーん ロリコンでもないくせに私のタトゥー身体中に彫ってるクソ拗らせた重たい男のくせによく言うよ ここからねー多分5時間か6時間で父さんの国に着くと思うの 偏西風や季節風やタイムラグで帰りは1時間くらい短いと思う、、、来てくれる?こんなふうに、、、」

 

 

 

「知ってるよ 知っててからかってる そうだなぁ イミグレ通れたら通ってやるよ 俺が通れねーイミグレなんかねーけどな!お前の名前全部知ってるから 知ってるからお前の名前に由来するお絵描き 全身に入れてんだよ 俺だっていつどこで切り刻まれるかわからねぇから せめて腕が足の一本でも残ってりゃ 気付いてくれるかなって 柄でもねえ 月も狼も蛾もマリア・マグダレーナも、、、黒猫も」

 

 

 

 

「キモっ!変態!マリア・マグダレーナって娼婦でキリストの恋人だよ!私は神なんて信じないし神の存在証明の数式だって知ってるけど 処女受胎も天使も信じないよ 悪魔よりひでぇ奴しかこの世にいないんだよ 悪魔は対価を払えば願いを叶えてくれるけど 神だの何だのってのはいくら対価を払っても願いなんか叶わないんだよ いないから叶えてくれないんだよ!バカじゃないの?1番それ 私達よくわかってんじゃん」

 

 

 

 

「それでもガキが産めねえお前がいいんだよ 人一倍寂しがりのくせにな クソみてえな人生の中で同じようなクソの中で足掻くお前がいいんだよ 俺は 気まぐれなくせにクソ重てえお前がいいんだよ いい女になるんだろうな あと何年かで そして俺は何も残したくないんだし お前もそうだろう?」

 

 

 

 

「褒めてないよ 何一つ褒めてない 灰は灰に 塵は塵に還るだけだよ

頭のいいリースならよくわかるでしょう?私達は元素記号に還って生活環の輪の中で自我も記憶も持たず ただくたばるだけ」

 

 

 

 

「やっと笑ったな」

 

 

 

 

「やだ 私 そんなイラついた顔してた?プロ失格じゃん?」

 

 

 

 

「いや 営業スマイル完璧だよいつもクソ気持ち悪いくらいに それが崩れる瞬間じゃねぇと 俺 勃たねーの」

 

 

 

 

「嘘だね!フツーに勃って何回も出した奴が言っても説得力ないね!、、、ってかリース 赤ちゃん欲しい?」

 

 

 

 

「あ?俺はガキは嫌いだし目の前にいるこのクソガキのお守りで手一杯なんだよ、、、自分で自分を痛めつけるようなこと言ってんじゃねーよ!殺すぞ クソガキ!」

 

 

 

 

「何でさー私 曲がりなりにも女なのに 使い物にならない袋付いてんだろうね これってさー女が男繋ぎ止めるためについてるんだよねぇ?何で私は男でも女でもないんだろう? 穴は男より一つ多いだけでまぁ 金稼ぐのには便利っちゃ便利なんだろうけど

私 何なんだろうね 男でも女でも子供でも大人でもない こんなクソみてえな存在なんだろうね」

 

 

 

 

「、、、ガキは嫌いなんだよ、、、何度も言わせるな、、、」

 

 

 

 

 

「ねえ 首絞めて殺す勢いで血が出て止まらなくなるまでやってよ

お客 2度と取れなくなるまでぐっちゃぐちゃにしてよ

殺してもいいよ

別に頼んで生まれて来た訳じゃないから

リースになら何されてもいいよ 殺してよ、、、なーんてね このクソみたいな私が言うとでも思った?やだ真に受けないでよ」

 

 

 

 

 

「お前が毎晩毎晩自分を何度も殺してんの知ってるし 俺もそうしないと生きていけなかったからクソみてえに痛えほどわかってんだよ バカじゃねぇの?いつもの澄ました顔と頭 どこ置いてきたんだよ 俺だってお前だって永遠に生きる訳じゃないんだ

頼むから少しは強がってくれないと本当に殺しちまうだろ?」

 

 

 

 

「殺したいほど私が好き?憎い?」

 

 

 

 

「ガキの頃の自分見てるみたいでな、、、悔しいけどお前の思ってる通りなんじゃねーの?」

 

 

 

 

「嬉しいなぁ 嬉しくて死んじゃいそう

このまま一緒に死んじゃおうよ そしたらお互いこの地獄から抜け出せるよ?ああ 違うや 自殺も殺人も地獄の最下層まで落ちるんだっけ確か

じゃあダメだね この先も地獄だね この世より少しマシな地獄ってやつだろうけど一緒に堕ちられたらいいなぁ」

 

 

 

 

「あぁ そうだな お前がマリア・マグダレーナのように改心したら 数式で表せる神とやらがいつか助けてくれんじゃねぇの?」

 

 

 

 

「、、、祈るのはもうやめたんだ、、、欲しいものは自分の魂を切り売りして手に入れるし守りたいものの為なら1番に何回だって自分を殺せる そうやってずっと生きていくんだよ 私も リースも 死ぬまでずっとね わかってるでしょ?」

 

 

 

 

「じゃあ 今日明日に俺死んだら お前 俺のこと迎えに来てくれんの?」

 

 

 

 

「さぁ、、、私にお金と力と勇気という翼があれば死ぬ前に迎えにいくよ そして地獄を共に生きて 毎晩殺されながら 何でリースより早く生まれてこなかったのかなって悔やむだけだよ」

 

 

 

 

「じゃあ 今まで通りに 俺は自分の体にお前の名前のお絵描きし続けてお前の体に風穴開け続けるだけだな」

 

 

 

「1番可哀想な女は 忘れられてた女なんだって

だから私 幸せだよリース どちらかが殺されても死んでも その瞬間まで覚えていてもらえたなら ああ リースも私も記憶力いいから嫌な事もいい事も忘れないもんね、、、リース好みの体になったらさ ちゃんとめちゃくちゃに逝かせてね 私頑張るからさ んで一緒にここよりマシな地獄 手を繋いで堕ちて行こうよ」

 

 

 

 

「ははは 俺より重い女だなぁ

俺の肉片の方が早くすぐにそこら辺に飛び散るだろうな その時にお前の名前のこの消えねーお絵描きの一部でも残っててくれたら最高だな

、、、多分 俺のクソな人生の中でその肉片をお前が見つけてくれたら それは 最高に幸せな瞬間なんだろうな 間違いなく言い切れる」

 

 

 

 

「、、、リース、、、置いていかないでよ、、、どんな形でもいいからさ、、、置いてかないでよ、、、鎖に繋いで檻に閉じ込めたっていいんだよ?」

 

 

 

 

「1ミクロンも思ってないくせに泣くなよ

ってか鎖も檻も 出会ったその日から繋がれてるし囚われてる、、、他人には見えないだけで

だけどお前は強く脆く賢く儚いが どんな所からどんなどん底に突き落とされようが そのピンヒールでちゃんと華麗に着地して どんな手段を使っても自分自身の力だけで這い上がり 誰にも何にも屈することなく平気な顔して守るものの為ならどんな憎い奴だって上手く懐柔して妄執させ 素知らぬ顔で寝首を獲る女だ

絶対にお前の心も体も誰も何者も手に入れることは出来ない だからハマるんだよ 忘れんな

、、、たった数週間離れただけでもう俺は死にそうだった、、、言わせんな!バーカ!」

 

 

 

 

「リースだってずっとずっと前からそうやって生きて来たでしょう?

私だって 寂しくなかった訳じゃない まぁ1ミリくらいだけどねー」

 

 

 

 

「せいぜい 後悔しないように毎分毎秒生きるだけだ 人生は壮大な暇潰しだ ちゃんとした学校通い続けてきたんだから お前は素知らぬ顔して 表の世界で幸せになるんだ 幸せなふりをして生きるんだ 猫被りは得意だろ?」

 

 

 

「、、、みゃーお、、、疲れたな、、、疲れたね?」

 

 

 

 

「ああ 疲れたな だからまだ 俺達 悔しいけど生きてる証拠だ」

 

 

 

 

「また死に損なっちゃったね2人とも、、、みゃーお、、、みゃーお、、、」